外食をするときに、「何を食べたい?」と聞かれて、確実に挙がってくるメニュー、それが焼肉です。東京にはかなりの数のお店があり、一つの駅から徒歩10分以内に二桁の数は焼肉店があります。個人の店からチェーン点までその規模はさまざまであり、最近では一人で楽しむ焼肉店も増えています。東京の場合は地方と比べて特に一人焼肉の店が多いのは、若い単身世帯が多いからでしょう。これまでファミリー層もしくは友達同士など複数の人数で楽しむ印象が強かった焼肉ですが、現在では幅広いニーズに応える店が増えてきました。
一人焼肉のよさは、会社のランチの時間でも立ち寄れるような手軽さにあります。実際にサラリーマンがランチに利用することも多く、集中しておいしいものを食べたいときにはうってつけとのこと。立ち食いスタイルの店もあるため、食べたらすぐに店を出るという流れができていて、お客様の回転もよく、過剰なサービスがない分、価格もできる限り抑えられています。主に男性のお客様が多いといえますが、ちらほら女性客も並ぶようになってきました。最初のうちは興味を持っていても、遠慮していた女性が多かったのかもしれませんが、最近は認知度も高くなったせいか女性のお客様も気にせずに楽しまれているようです。誰かと食事にいくのが苦手という方や、約束して集まってという流れが面倒だという場合は、東京の焼肉に限らず、一人で食事をしたいと思うのでしょう。考え方が多様化している分、さまざまなニーズに合わせた店があるため、東京という街は誰もが楽しめるといえるでしょう。
これまでは、東京の焼肉店は、芸能人や著名人御用達の高級店から、全国に店舗のある手頃な価格で楽しめるチェーン店、そして個人店が占めていました。その中で特色のある営業をしているのは、個人店です。個人店といっても、東京都内のみに数店舗構えている店もあります。個人店から人気が出れば、2店舗目、3店舗目と広がっていくのでしょう。このような店の強みは、店主が食肉について詳しく、独自のルートを持っていたり、生産者から直接買い付けたりする点にあります。長年築きあげてきた人間関係や人脈により店が運営されているように思われます。これらの店はこだわりの和牛や希少部位の入荷ができる上に、高級店と変わらない食事メニューを提供できるにもかかわらず安いという点です。儲けを度外視しているような店の場合は、何よりもお客様の満足度と働ける喜びで店主も店を運営しているのでしょう。
とはいえ、ここ数年は人件費や燃料などの高騰により、値上げの波が押し寄せてきているといえます。これらの店でも苦渋の判断を迫られていることも多く、実際に既に値上げをしている店も増えてきました。それでもかなりお安い価格で焼肉を食べられることには変わりません。東京のよさは、人口が多く、流行やグルメの発信地だからこそ、常に新しい店がオープンし続ける点にあります。東京の焼肉といっても、店の雰囲気やメニューも細かく細分化されるので、今日の自分の気分やシチュエーションに応じた店選びができます。なかには、あらゆるシチュエーションに応えられる店もあり、一人で焼肉を楽しみたいときにも利用できますし、友達同士で賑やかに食事をしたいときにも利用できる、さらには恋人同士や接待といった個室で楽しみたい場合にも利用できるという万能な店もあります。ある程度の規模の店であり、お客様のニーズにしっかり応えてくれている店を自分の中の推しとしていくつか持っておくと、急なお客様がきたとき、お祝いをしたいときなどにも慌てることなく、スムーズに予約やメニューの選定ができるでしょう。できれば、駅チカでアクセスがしやすい場所であれば無敵の店となります。
